こんにちは、あかつき写房の本田です!
前回に引き続き、湿板ラボのワークショップでどんなことをするのかをプロセスを交えて書いていきたいと思います。第二回はガラス感光板を作るところを解説します。この作業は自転車の練習に似ていて、数回やっただけだとなかなかものにできませんが、一度コツを掴めば細かいコントロールが可能になります。ワークショップでは、細かいコツをたくさん伝えますので、参加者の方は随分と上達されます。写真の仕上がりにも大きく影響するところですので、参加時はぜひ習得して帰ってください。前置きが長くなりましたが、ここからが本編です。それではどうぞ。
第1回「ガラス感光板作成編」
前回はガラス磨きについてお話ししましたが、今回はガラス感光板を作るところを解説していきます。
そもそも「ガラス感光板」って何でしょうか?
ガラスの上に光に反応する薄い膜を張ったものです。ややこしく言いましたが、現代のアナログ写真で言うとフィルムであり、デジカメで言うところのセンサーのことです。湿板写真はそのフィルムやセンサーにあたる部分がガラス板なんです。
作業の話に戻ります。まず、綺麗に磨いたガラスを用意します(ガラス磨きについては前回の投稿をご覧ください!)。ガラスの四辺5mmに綿棒を使って卵白を塗ります。卵白を塗ることで膜が剥がれにくくなります。
卵白が乾いたらブロアーでガラス上の埃を飛ばし、膜になるコロジオン溶液を塗布していきます。ガラスの真ん中に適量のコロジオンを垂らし、ガラスを傾けながらガラス表面全体に均等にいきわたるようにします。
余分なコロジオンは瓶へ戻し、こぼれたりガラスの裏側へ回ったりしてしまった分を綺麗に拭き取ります。この段階ではまだ感光性がありません。
まもなく表面が乾いてくるので、乾いてしまう前にガラスを硝酸銀へ浸します。ケースに入れるときは、ディッパーという器具を使い慎重に入れます。
約4分〜5分ほどで、表面が乳白色に変化しガラス感光板が仕上がります。硝酸銀から出したガラスは、裏面を綺麗に拭いて、撮影用のホルダーにセットします。
ガラスの表面は湿っており、このガラスが乾いてしまう前に現像までの作業を行います。「湿板写真」と呼ばれる理由がここにあったのです、、、
さて、いかがでしたでしょうか。今回はガラス感光板を作るところを解説してみました
コロジオンの膜の厚みやムラは写真の仕上がりに大きく影響します。この工程は回数を重ねることでどんどん上手くなるので、ワークショップ中の最初の一枚と最後の一枚を並べると一目瞭然で面白いです!
塗布ムラは汚れということもできますが、これがあることで一枚一枚の写真の個性にも繋がりますので、その辺りは楽んででいただくようにしています。
次回は撮影について解説します。お楽しみに。
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