top of page

カメラを持ち帰るワークショップ

こんにちは、あかつき写房の本田です。今日は以下の2点について書いてみようと思います。

 一つ目は、ワークショップで湿板写真専用カメラnew moonシリーズを使う理由

 二つ目は、そのカメラをわざわざ購入して持ち帰り保管してもらう理由


私たちのワークショップに対する考え方が伝わりますように。


new moon 6×9と付属のスタンド


[湿板写真に集中できるカメラ]

まず、ワークショップでnewmoonシリーズを使う理由からご説明しますね。結論から申しますと、[湿板写真のプロセスを覚えることに集中できるカメラだから] なのですが、実はこのnew moonシリーズは自社開発なんです!!なので、ワークショップのために開発したのがこのカメラなんです。さらに詳しく書いていきますね。



ラージフォーマットのカメラ(古くて大きなカメラ)の扱いはとても複雑です。つまみがたくさんあって、回すといろんなところが動きます。これらを細かく調整していくと意図通りの写真が撮影できるのですが、、全てをコントロールするには熟練の技が必要なんです。


さらに、湿板写真の工程も複雑です。磨いたガラスにコロジオンを塗布して、硝酸銀につけて、撮影して、現像して、、、


これらの作業を10分程でぱぱっとやらなければならないのですが、、あっちもこっちもやっていると気にしなければならないポイントや覚えることが多すぎてパンクしてしまいます。


そこで、カメラの扱いをできるだけシンプルにしたのが、このnew moonシリーズです。構えてピントを合わせるだけ!物足りないという方もいらっしゃるかもしれませんが、余裕ができることで湿板写真の技術習得に時間を使うことができます。


繰り返しになりますが、new moonシリーズは湿板写真を始めるのに最適なカメラというか、そのために開発したのです。


※カメラの開発プロジェクトに興味のある方はこちらもご覧ください→Shippan Redesign


今日はもう少しお付き合いください。ここからはカメラを持ち帰る理由です。


ワークショップではお好きなモチーフをご持参ください



[未来に残すカメラとガラス写真]

二つ目、カメラをわざわざ購入して持ち帰り保管してもらう理由です。



このカメラ(new moonシリーズ)はShippan Redesignというプロジェクトから誕生しました。このプロジェクトのテーマは、現代の湿板写真を作り未来に届けること


カメラを持ち帰り保管してもらうのは、この先、湿板写真が途絶えてしまいそうになった時や、道具の調達に困った時に使うためです。自分たちの子や孫の世代の人たちが道具が手に入らないという理由で湿板写真を諦めてしまうことがないように、一台と一枚を保管していただくことをお願いしています。


なんだか壮大なことを言っておりますが、冗談ではなく、私たちが湿板写真を続けていく中で感じた危機感からこのような考えを発信するようになりました。危機感とは湿板写真が途絶えてしまうかもということです。

湿板写真を初めて6年目になりますが、残念なことに私たちの先輩にあたる方で湿板写真をやめてしまったということを耳にします。湿板写真は、100年ほど前に写真史から一度姿を消してしまっていますので、未来に残していくことはとても困難なことなのかもしれません。

しかし、この独特のプロセスと仕上がりを、是非とも未来に届けたいと私たちは願います。

見て、そして体験することで私たちの考えに共感していただけるのではないかという思いでワークショップやプロジェクトを続けております。


ワークショップにご参加いただく皆さまには、教室に通うための道具としてだけではなく、私たちの考えにご賛同いただき、湿板写真継承のお手伝いをしていただけましたらという願いが入っております。





2つめは、ちょっと私たちに都合の良い勝手な理由ではありますが、ちゃんとご説明をしていくことが大事だと思い書いてみました。




2024年8月17日に湿板写真を体験できるイベント開催します→詳細はこちら


 

ワークショップ情報



Comments


bottom of page