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気まぐれなコロジオン-湿板写真

こんにちは、本田です。今日の話は再現性がないので、なんのためにもなりませんがただの湿板ラボの日記として、読んでいただけたら嬉しいです。もう廃棄かと思ったコロジオンが一晩寝かせたら使えるようになったという話です、、、



まず、コロジオンとは、湿板写真を作るときにガラス板に塗布して膜を作るための薬品で、湿板写真特有の周辺の汚れやムラを作り出している張本人です。※コロジオン塗布について詳しく知りたい方はこちら


その日、コロジオンの調子がイマイチで、、、ガラスに塗布しただけで極端に薄いところができてしまい、硝酸銀につけておくと薄いところが剥がれ出す、さらに現像するとその部分はゴソっと剥がれてデータ(膜)がなくなってしまいます、、、ついこの前まで綺麗に写っていたのに。


そういえば、以前にもワークショップの途中でそうなってしまったことがあり、硝酸銀につける時間や膜の厚みを調整したりして、なんとか乗り切ったことがありました。その時のコロジオンは結局、ワークショップ後廃棄することにしました。


さて、今回はワークショップ前日のテスト中にその症状が現れました。新しく作るのは時間的に不可能。別のコロジオンもあるっちゃあるけど、できればそれ(トラブルが出ているロットのもの)を使いたいという状況でした。


応急処置として、アルコールを様々な量のバランスで添加してみたり、古いコロジオンと混ぜてみたりしましたが、なかなか良い画像を得ることがきません。最終的に、アルコールを少量添加したものが一番良い結果と判断し、その日はそれで終わりました。



次の日、前日に一番良い結果が出たアルコールを少量添加したものと、アルコール添加前のコロジオンを同時に塗布して同時に撮影して比べてみました。そしたらなんと、アルコール添加前の方が良く写ったのです。そう何もしてない方のものです。


同じ条件で2枚撮影 右の方が写りが良い


しかも、前日に出ていた症状はすっかり出なくなっています。やったことといえば、空気に触れさせて撹拌して一日寝かしただけ。使えるようになるのはありがたいことですが、こんな風に解決していまうと、一体何が原因でそうなっていたのか分からず、今後に活かせるデータが残りません、、、


今まで、突然写らなくなることはありましたが、突然写ることは初めてのことで驚きました。この日から二日間のワークショップ中、像がおかしくなることはなく良い作品を残すことができました。



 

ワークショップ情報はこちら



        

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