こんにちは、あかつき写房の本田です。今日は、8月17日(土)にあかつき写房で開催される湿板写真イベント「オープン湿板ラボ」に絡めて、湿板写真の魅力を改めて解説してみたいと思います。
イベントの詳細はこちらのサイトをご覧ください→オープン湿板ラボ
私たちの考える湿板写真の魅力は以下2つです。
1.物質的な写真であること
2.体験的な写真であること
どういうことか詳しく見ていきますね。
[物質的な写真であること]
皆さんにとって「写真」とはどういうものでしょうか? お店やお家のプリンターでプリントしたもの?それともスマホやパソコンに入っていてモニターで鑑賞するもの?または、クラウドストレージにあるデータをプロジェクターで投影して鑑賞している人がいるかもしれません。
では、湿板写真とはどういうものでしょうか?ガラス板に直接薄い像の膜が張り付いたものです。その透き通ったガラスの裏に、黒い布や紙を敷いて写真として鑑賞します。
そのガラスは複製することができない、唯一無二のもので、手に取ってみると重さを感じることができます。
湿板写真は物質としての圧倒的な存在感がある写真です。
[2.体験的な写真であること]
湿板写真は、カメラのすぐ近くに暗室を設置しないと撮影できません。
オフィス、ミュージアム、イベント会場など様々なところに暗室を設置
なぜなら、ガラスを使って作る感光板はその場で作って、その場で現像をしなければならないからです。この事実は最大の弱点とも言えますし、湿板写真が乾板写真に駆逐された理由の一つになるのですが、一方で、手間暇かけて作られたガラス写真を稀有の一品にしてくれる重要な要素でもあります。
暗室を設置したら、カメラを構えて、ガラス感光板を作ります。撮影して現像するまでは15分以内。止まることなく行わなければならない所作の一つ一つが仕上がる画像に影響を与えます。
暗転、明点、そしてまた暗転、、暗い明るいという視覚的な変化、アルコールや酢酸の匂い、そしてガラスの重みなど様々な感覚を刺激されます。こうして出来上がった写真は複製できない唯一無二のガラス写真です。
もしあなたが、撮り手になったとしても被写体になったとしても、この体験は湿板写真でしか味わうことができない貴重なものとなるでしょう。
いかがでしたでしょうか。説明すると長くなってしまいますが、百聞は一見に如かず、ぜひイベントにご参加ください。2つの魅力を存分に味わっていただくことができます。
皆さまにお会いできるのを楽しみにしています。
イベント詳細、ご予約はこちら→オープン湿板ラボ
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